年収300万未満で幸せに生きる方法

こんにちは、冴子がやや疲れ気味で(笑)平日の記事更新が滞りがちなのでこの記事は私(Dad)が書いてます。

今ネットや新聞の記事を見ると「貧困家庭」「マイルド貧困」といった言葉が目に付きます。
貧困家庭について、定義が決まっているわけではありませんが、妻1人、子ども2人の家庭であれば年収300万未満くらいからがそれに当たると考えられます。

しかし、貧困という言葉は決して金銭的なことだけを指しているわけではありません。
今すぐに収入を上げることが出来ないのであれば、それ以外の部分で生活は改善しないのでしょうか。

私は職業柄多くの経済的に恵まれていない家庭と係わってきましたが、そのあおりを一番食うのは子どもたちです。
親が奨学金の振込口座を握っていて、振り込まれた瞬間引き出して勝手に使っていると嘆いていた子(高校生)もいました。
ただ、そういう子どもたちにも、とても元気で毎日生き生きとしている子どももいれば、とても疲れた顔つきをしている子もいます。確かに年収300万前後で経済的に余裕のある生活を送るのは大変だと思います。でも、「幸福感」というのは、お金だけの問題ではありません。

幸福感を測る尺度に「地位財」と「非地位財」というのがあります。
地位財とは年収や社会的地位、持ち家や車といった、周囲と容易に比較できる財産。「非地位財」とは健康や友情、愛情など、他者との比較とは関係なく得られる目に見えない財産のことです。どちらも必要ではありますが、どちらが価値が高いのでしょうか。
Health is more important than wealth.(健康は富に勝る)というのがあります。今急速に高齢化する日本でこれを切実に感じている人たちが確実に増えています。
それなら、出来るだけ早めに友人、愛しい人、いざとなった時頼れる人、そして何より健康な生活が送れる礎といった「非地位財」を貯めておくことが大切だし、もちろん年配になってからでも遅くはありません。意識やものの見方を変える事によってそれは可能です。
また、非地位財によって得られる幸福度は、地位財によって得られる幸福に比べ、長続きするという特徴を持っています。
幸福度が高い人というのは、この「非地位財」を大切にしている人なのです。

さて、幸福度を下げる要因はふたつあると言われます
ひとつは「慣れ」です。
どんなにお金があり、周囲から見ればうらやまれるような生活をしていても、慣れるとそれが当たり前、今日と同じ明日がまたやってくると思っています。
私もそうでした。5年前のある日、自転車で夕食の買い物の帰り道、バイクにひき逃げされ、脳挫傷、外傷性硬膜下血腫、急性くも膜下出血という、どれ1つでも命に関わる重傷を負い、病院に担ぎ込まれました。一瞬で前日までの生活は崩壊です。今は後遺症は残っているものの普通の生活に戻れていますが、このときほど「自分がどのくらい幸せな毎日を過ごしていたか」を思い知らされたことはありません。そしてその時、精神的肉体的に助けてくれた人たちはまさに私の「非地位財」だったのです。

もうひとつ、福原愛や石川佳純を育てた名伯楽、近藤欣司さんの話も紹介しましょう。例に漏れず勝利至上主義だった近藤さんは36歳で急性肝炎を発症、2ヶ月の入院生活を送ることになりました。「慣れ」ていて当たり前だった日常は脆くも崩れ、「指導者としても結果が出せず、どん底状態でした」(本人談)。しかしその入院中に多くの本や人との出会いがあり、非地位財を蓄積、その影響で意識改革を果たし、「勝つ指導」から「育てる指導」に転換、名選手を次々育て上げ、今や「近藤マジック」という言葉まで生み出す逆転劇を起こして時の人となりました。

幸福度を下げる要因のふたつ目は「比較」です。周囲のもう一段上の人の暮らしぶりを見て羨ましく思ってしまうと幸福度は下がってしまいます。
地位財は容易に比較出来るため、自分より上のものを見て妬み、下を見てほくそ笑むという、人間的にも情けない人を作ります。
今も忘れられない自動車学校の免許取得の学科問題で「車が交差点に同時に入ったが、価格、性能の点で明らかに私の方が優れていたので、私に優先権がある」という◯✕問題がありました。地位財まみれのヒトはこれを◯と回答するのかも知れません。
その点、「非地位財」は目には見えなく、比較の難しい価値であり、これを沢山持っていると毎日が刺激に満ちていて、いざという時は助けにもなります。また無用の比較によらない幸せを感じられる、本当の財産と言えるでしょう。

ではどうすれば「非地位財」を多く手に入れることができるのでしょうか。コツは意外に簡単、「毎日に感謝」「人への感謝」「隣の芝生を見ない」「身近にある幸せを噛み締められる」という「知足の精神」なのです。
例えば4人家族であれば、その家庭円満が何よりの非地位財ですし、もしそれがないならそれを手に入れる方法はその家族の中にあります。家族の無数の行為に感謝して「ありがとう」と言える気持ちです。隣の庭を見て無理な経済的生活水準を上げることなく、非地位財の獲得の方法に頭を使いましょう。コツコツ積み上げていけば必ず将来の財産になります。
生活の中ではメリハリのない垂れ流し的な無駄遣いがあるものです。それを見直し、「ハレとケ」のメリハリをつけましょう。毎日毎日高いケーキを食べ、甘い清涼飲料水を飲んでいると、飽きてきて、ありがたみもなくなり、懐も寂しくなり、体重ばかりが増えるのです。家で誰かがお茶を沸かしてくれたらそれをペットボトルに詰めて「ありがとう」と言って持って出かけた方がいいのです。

最後に、自戒も込めてですが、この非地位財を軽視していると、前述のように思わぬ落とし穴にハマります。貯金などがなくても、平穏な日常であればいいですが、突然の病気やケガで生活が破綻状態になった例は枚挙にいとまがありません。確かに年収が低いと交際費が捻出できなかったりして人間関係を絶ち勝ちですが、家族や知人と健全な関係性を保てていればそれだけで不測の事態を切り抜けることが出来ます。「貯金がない」「保険に入っていない」「年金をかけていない」などは、今すぐどうなるものでもありませが、そういう人こそ「非地位財」を重視することが大切です。
私がひき逃げされた時、救急車を呼んでくれたのは行きつけの美容室のご主人でした。知人の引きこもり気味の娘さんの再就職を斡旋してくれたのは、唯一心を開いて時々手紙のやり取りをしていたその人の叔母さんでした。
低年収を悲観してもそれで年収が上がるものではありません。物事をポジティブにとらえて非地位財獲得チャンスを広げていく生活態度の先に経済的な生活向上もきっと待っています。

Dad: 元府立高校長
LCCA認定カウンセラー
JAMHA認定メディカルハーブコーディネーター