2021年3月頃、モチーフ「お人形」を描いてみました。
水彩と色鉛筆。立体感がなくてペタンとしている印象です。
周りのイバラはお気に入りのウォリック・ハットンの「ねむりひめ」を参考に
描きました。こういったツル系は今後もぼくの絵によく登場することになります。
作品4「聴いてくれるのかい? 」
このころから間断なく物語が降りてくるようになります。モティーフはテーブルにピエロの人形が置いてあるだけでしたが、物語は森が火事になり、住人が逃げて行くなかで、ピエロが弾いていたバスに惹かれたウサギたちが身の危険も忘れて聴き入る姿を描きました。今ならもっと描けるんですが、この当時はこれくらいかな・・・透明水彩にパステル。このころはソフトパステルが気にいってました。
作品5 「Melody」 2021年7月頃 透明水彩+ソフトパステル
この作品は割と構想が面白かったので、「まだ早い! 」って、先生に怒られると思い、ナイショで市展に出してみました。そしてら思いもかけず入選しちゃって、ばれたらマズいので黙ってたら、絵を見に行った人たちが先生にご注進(当たり前ですよね!)で、「なんで勝手に出したの! 」って怒られると思ってたらすごく褒めてくれて、また先生のことが一段と好きになっちゃいました💛
ANGELS AND KITなんてシャレ、英語の達人の娘も含めて誰もわからなかったなー(笑)、当たり前です。正しく書くなら道具ならA KITとか、子猫ならA kITTEN かKITTENSとすべきところを「ふたつかけたろ」と思ったぼくは猫の絵に気が行ってて見落としてたんですよね(-_-;)
本の表紙のふたりのエンジェルはぼくのエンジェルであるアトリエの先輩たちのイメージで描きました。優しくて絵のすごい人たちです。子猫たちが奏でるメロディ、彼女たちにそのつもりがないのに、じゃれてるだけでメロディが生まれる、子猫ってそんなイメージがあります。まあ画力は褒められたものじゃないけど、画力はいずれつけるからってことで・・・
作品6 「コーヒーが冷めないように」(東日本大震災追悼)
9月28日 透明水彩、パステル、色鉛筆、アクリル少し この頃からこわごわアクリルを使い始めました。速乾性にビックリ!
絵はまだまだですが詩は気に入ってます。
「コーヒーが冷めないように」 (東日本大震災追悼)
コーヒーが冷めないように
私は心に鍵をかけた
大好きだった人のコーヒーが冷めないように
私は心に鍵をかけた
あの人どうして死んじゃったのかな
最後に一緒にコーヒーを飲んだ夜
月がたくさん黄色く広がって 星ははらはらと降っていた
あなたは「綺麗だね」と言ったけど なんのことだったの
あの夜のことを忘れないように
いつかあの人が帰ってきたら
いつでも 大好きなコーヒーが飲めるように
あの人が大好きだったコーヒーが冷めないように
私の想いが冷めないように
あの夜のことを絶対忘れないように
誰かと一緒にコーヒーを飲んでも
大好きなあなたのことを きっと忘れないように
私は心に鍵をかけた
作品7 「ネバーランド幻想」 透明水彩、色鉛筆、ソフトパステル、アクリル少々。絵を始めて10か月目。
11月になると透明水彩の色の限界を感じるようになり、少しアクリルを使っています。モチーフはキンカンの入ったボウルが3つ、テーブルに並んでいるだけでした。「全然面白くないなー」と、しばらくボーっとしていると、目の前のボウルが傾き始め、それに連れて入っていたキンカンがこぼれていくのが目に入りました。それでなぜか「ネバーランドみたいだ! 」ってイメージが浮かび始め、ウエンディが登場し、ティンクみたいなのも出てきて、写真ではわかりにくいのですが、左下の草むらにも妖精が隠れてます。
「ネバーランド幻想」
ケンジントン公園はロンドン、チャリング・クロスの西3マイルにある
公園内の池のほとりには大きなリンゴの木があり、池にかかるサーペンタインブリッジを渡ると向こうはネバーランドだ
渡橋料は無料だが、ご用心、一方通行で、戻ることはできない
ウェンディ・ダーリングが戻ってこられるのは特別な存在だからで、誰もがウェンディになれるわけではない
公園の開園時間は午前6時から夕暮れまで。だから夕暮れから開園までが妖精たちの時間になる暗くなった
デンデンドロリコ デンデンドロリコ
妖精の時間
スモールオレンジの香りにピーター・パンがやってくる
ウェンディはティンカー・ベルが嫌いだ。焼きもちやきで、すぐに髪を引っ張る
でも今日はティンクはリンゴの香りに酔っている。池のほとりのリンゴはとびきり美味しい
シュカシュカっとかじるとすっぱくて甘い
「よし、私もひとつ、もいでかじろう」とウエンディ
デンデンドロリコ デンデンドロリコ
さあ、橋を渡ればネバーランドだ
よっといで、よっといで、大人になりたくない子どもたち
急がないと夜が明ける
作品8 「月を愛でる若きティタニア」
初めてのボード、初めてのアクリルということで、まず月とティタニアにマスキングフィルムを貼り、背景から描きました。ボードの地が出ないようジェッソを3回くらいかけてサンドペーパーで平にし、何層にもアクリルを塗り重ねたのですが、それでも少し地が感じられ、腹が立ちました(笑)展覧会で付けた詩的説明は以下ですが、日本語の面白さを考え、少し破格になっています。なお額縁は彩美堂のご主人奥山さんが手作りで作ってくれたカスタムメイド!
「月愛づる若きティタニア」 (アクリル)
のちに妖精王オベロンの妃となるティタニア(タイタニア)は、若い日々、月がでると、時のとおること忘れ、眺めていることでした
ティタニアが何に想い、いかな気持ちで見たのか
それをわかることは誰とてもできません
月を見晴らす心は人ごとに違うのでしょう
月は、それを愛づる人をあまなく照らし
光は心を透明にして、心臓をつき抜きます
突きとおった光線を受けて わたしは今、
どきどきと生きている
作品9 「妖精はオクラ好き」 透明水彩、パステル、色鉛筆など
授業が終わった
モチーフを片付けようとしていた高槻西高校芸術科、
美術担当の大倉真紀子がクシャミをひとつ
「ハ、ハ、ハックション! 」(あれ? 花粉かな? )
「・・・考えてみたら明日も同じモチーフを使うんだ。このまま置いておいた方が手間が省けるな」
美術教室は絵の具のにおい
鍵がかかった
タッタカタッタ タカタッタ タッタカタッタ タカタッタ
妖精たちのお出ましだい
やった! 効いたぞ魔法のコナ!
タッタカタッタ タカタッタ タッタカタッタ タカタッタ
オクラだオクラ オイラの好きなオクラだぞ
さあさ朝まで 遊べるぞ
この作品はネバーランド幻想と並行して描いてました。モチーフはラクダとオクラ。しばらくすると夕方になり、それとともに妖精が現れ、それは学校の教室。後ろの黒板には面白い絵が何枚か貼ってあります。妖精の魔法なのか妙な形にオクラの木が伸び始め、実もなってます。オクラってあんなふうになるもの???