2023年の制作ヒストリー

「憧憬れ(あこがれ)」 F6  アクリル絵の具 額装

解説: 友人と大阪の大丸のギャラリーだったかに「完売画家展」みたいな展覧会を見いに行った時、そこで見たモノクロームの写真が印象に残っていて、そんなイメージを絵で描いてみたいと思い、ネットで気に入った写真を探してそれを参考に描いてみました。左右の、女性の心を映すような植物様のものはJRRトールキンの指輪物語のためのスケッチブックにインスパイアされたものです。

 

「赤いイヤリングを付けたOld Bearの肖像」解説

 

このクマちゃんは数十年前、スコットランドの洋服屋さんで見つけたもの。あまりに可愛いので、「売ってくれ」と言いましたが、「これは売り物ではない」と断られ、「遥々日本から来たのだから」というと、「じゃあ、仕方ない、Old Bearはあなたのものだ」と譲っていただきました。以来数十年、相変わらずOld Bearはピアノの上に座っています。ふと「赤いイヤリングが似合うなあ・・・」と思った瞬間、絵が出来上がりました。スコットランド、外は霧雨、遥々このクマちゃんは日本までやって来たんだね。故郷が恋しかったのかもしれないな。義母さんが「赤いイヤリングがいいわ」と言っていたことと合わせてここに残しておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

第9回ミヤザキアトリエe集団展出品作品制作過程解説

作品7 「梅吉とほこりちゃんとぼく」

これがワンコの梅吉とミッフィのほこりちゃんです。ほこりちゃんの名前は、僕が掃除しない人なので、「ぬいぐるみほこりだらけやろ!」と、上の娘がつけた名前(笑)雪だるまのぼくはいつか溶けてしまうけど、友達の梅吉とほこりちゃんは忘れないって言ったよ・・・

作品4 「フルートを吹く幼きティタニア」 アクリル F4  額装サイズ37cm×44cm    第28回アートムーブコンクール入選作

初出品の全国公募展で入選した絵、嬉しかったです。テーブルのモチーフは緑の壺みたいなと、小さな植木鉢。しばらくするとティタニアがフルート吹いてる姿と、背景には大好きなムーミン谷のメソメソが楽しそうに聴いている姿が現れたので絵になりました( ^∀^)

ティタニアのお洋服の赤は気に入りました。壺が緑だったのでここは反対色がいいなと決めました。後ろの岩のような、カーテンの様な部分に初めてモデリングペーストを使い、写真ではわかりにくいのですが、かなり立体感を持たせてます。モデリングペーストのいい練習になりました。講評ではその質感が評価されてました。

5 「火曜日 魔法をかける幼きタイタニア」

解説はアートマインドコーチングに使うため一度削除しています🙇

 

 

 

 

 

 

1「お母さん」

 

制作は背景を薄っぺらくならないよう何層にも描くため、先にお母さんの部分はマスキングシートで覆いました。でないと、背景の盛り上がり方が歪なため、それが主役に影響を与えると考えたからです。納得のいくまで背景を、筆→ペインティングナイフ→手、を使って塗り上げ、それから、背景とは逆のポップなタッチで混色を極力避けて主役を鮮やかに仕上げました。最後に歪んだ時計。これは、親不孝者の私が母にもう一度会えたら、時を巻き戻してもう一度会うことが出来たら、「ごめんなさいとありがとう」を言いたいという気持ちが込められています。

2 「桜幻想Opus1」

制作過程はyさんのアドバイスを参考に、まず赤紫と青紫でイメージの赴くままに完成の姿を思いながら適当に色をつけ、木を黒で思い切って描き込みました。その上に赤系のピロールレッドやレッドミディアム、ナフソールクリムゾンなどを混色し、ジンクホワイトの透明を利用して花びらを描き込み、次に木の質感を出すため、ペインティングナイフで黒を盛り、半乾きの時に傷を入れて乾かします。その上に部分的に白を入れると、傷のところに入り込んでいい質感ができました。あとはその繰り返し。ちょっと難しかったのが女性の姿のダブルイメージの加減でした。Opus2に続く

3 「桜幻想Opus2」

桜幻想は盲学校(現視覚支援学校)勤務時代、友だちだった女性の思い出のため描きました。その方は中途失明された上に難病があり、私の勤務2年目にわずか24歳で夭折されたのです。

生前「私はお花を心で見るんです。昼でも夜桜見れて結構便利」と、サラッとおっしゃった言葉が今も時折思い出されます。この3部作はその方へのレクイエムとして完成するつもりです。

画法はOpus1とは異なり、全景のトーンを深い紫と淡いピンクがない混ざった色に決めてました。それで全背景を描き上げたあと、手前に桜を、Opus1とは違う手法で描こうと思い、木の質感は全て絵の具の色調だけで表しました。花も写真でわかるように最初から枝垂れ桜の感じを描いていき、月の光を考えながら配色して仕上げました。最後に1と対をなすように左に女性のイメージを配しています。

作品1 「花」について 実験作

これはぼくの描くタイプではないのですが、次のことを試みたくて描いてみました。ひとつめは、背景の黒です。ただの黒は美しくないので、まず金色を下地に塗り込み、そのうえで黒を重ねてみました。予想通り少しいい感じが出ましたが、後から思うと、黒の中にももっと陰影をつければよかったですね。次に金箔を使ってみたかったので、その試み。感想は、金箔張りはとても難しかったということ。鼻息だけでもちぎれたり破れたり。金箔職人さんは凄いです。金箔の上から陰影をつけた葉っぱを描くのがいい練習になりました。

作品2 「カオスを燃やす」 実験作 アクリル+ジェルマニュキア+マニュキア

この作品はちょっとよくわからない・・・という感じですね? だからカオス。実験は2つです。ひとつは、セザンヌ的な多視点を取り入れてみようとしたこと。もうひとつは画材に貪欲なので、なにか面白いものはないかなぁと探していて、若い人の綺麗な爪からマニュキュア、それも派手なジェルマニュキュアを使ってみようとしたことです。画法は、オブジェすべてをマスキングテープ、インク、フィルムで覆い、背景を塗りました。次に好きなモンブランの万年筆やペリカンのインクをリアルに描き、モチーフとして与えられた牛さんや猫さんなどをあっちこっちから見て回って撮影し、一部に方向を変えた姿を描きこんでみたんですが、不完全燃焼でした^^; 次にパック(妖精)以外のすべてに透明水彩で紗をかけ、画面を鈍くしたうえで、主人公とも見えるパックと、下の宝石箱の中のジュエルだけをジェルマニュキュアとマニュキュアを使ってくっきりと描きました。が、ちょっと空振りだったかも・・・でもいい勉強になったのは、ジェルマニュキュアって、そのままでは永遠に乾かないんですね。乾燥時間に不安があったので別の紙で試してみたら何時間経っても乾かないので、おかしい! と調べたら、なんと、LEDライトかUVライトをあてないと乾かなかったんです! 女子の常識? 失礼しました。 よくわからない構図なんかをすべて燃やしてしまうべくパックがろうそくに灯をつけますが、もっと派手に燃やす構図がよかったかなぁーと思いました。この絵自身を燃やしてしまおうとしているパックだったらよかったかな・・・

作品3 「道化師の夢」 2月〜4月 アクリル+ソフトパステル+パンパステル+色鉛筆

この作品はウィリアム・モリス的な背景に道化師(ピエロ)が瓜の上に浮かんでいます。

 

モチーフとテーマ、構図など:

テーブルに先生持参のマクワウリとビン 下敷きに絵のようなマット。「ウリなぁ・・・」と歩きまわっていたらモチーフ室のピエロと目が合って、その瞬間「私を描いて! 」っていう声が聞こえました。「誰も描いてくれない。悲しい! 」と・・・

ピエロを主人公にしようとしたとき構図が決まり、バランスを考え、左に以前描いた(掲載している他の絵にも登場します。見つけられるかな? )変わった形のボトルを置きました。写真を撮っていた葉っぱを装飾的に周りに置きました。どこまでがテーブルでどこまでがその後ろなのかわからなくする画法は先生の以前の指導。過去の作品はテーブルをそのまま描いてました。今は自在ですね。先生エライ!

よく聞かれる左上のもの、これこそ、数十年前、初めて担任をした時、Kくんが作ってくれた卵の飛行機、ずっと大切にしてたけど、ついに絵にすることができた。最高です。反断捨離主義の成果と自画自賛^ ^ アイキャッチに載せといた写真がその本物、カワイイ❤️

 

描き方:

まず画面全体をジェッソで真っ白に固めました。ザラ付き感を出すためMを使いました。その上にアクリルで背景色をグラヂュアルに塗り、次にモリス風のマットの柄を遠近感を考えながら下書きし、他の素材も描き始めました。その時は左右の強弱は考えてなかったんですが、次第に、このままでは「夢」の雰囲気が出ないなあ・・・と、ああいう風に仕上げて行きました。するとアクリルでは僕の実力的に限界なのか、葉や花の濃淡が難しく、山中さんの影響もあり(彼女の絵は色鉛筆なのにすごくはっきり描けています)新たにプリズマカラー(カリスマは高すぎて、色の数もプリズマの方が150色と多いこともあり)を買い、マットの草や花や蔓の仕上げやアクセント、その他の部分の細部に使ってみるといい感じになりました。

主人公の道化師(名前つけてあげたいんだけど、誰かいい名前考えてくれませんか? 本気ですよ。名前、いるんです。でもイマイチ良いのが浮かびません。そのうち夢に「私の名前は? 」って現れてうなされそうです)だけはくっきり描かなければダメなので、アクリルにこだわりました。

一応出来た段階では下半分の背景色は白のままだったんです。で、なんとなく間延びしてるなあと少し色を入れましたが、中途半端感があったので、「道化師の夢の中、カラフルに! 」と、パステル使って色を入れました。それでも何か物足りなく、「なんだろなんだろ???」と、毎日にらめっこしながら過ごしているうち、「画面右上に何かが要るんだ!」 って思い当たりました。右半分はくっきり描いている分、画面の空白部分が目立つに違いない。で、何を描けばいいんだろうとしばらく考えているうち、自動車と妖精が浮かんだんですね。最初は自動車で行こうと思い、置いてみたんですが、左に卵の飛行機があるので、イマイチかぁ・・・と思っていた時、4月8日に近藤先生の個展に行きました。先生の素敵な絵を見て画法を伺い、帰ってこの絵を見ているうちに「やっぱり妖精だな。でもなあ・・・」と頭をひねってると、何かが降りて来る感じが・・・「あ、あ、あ・・・」って感じ、皆さんないですか? 「何何何???」って、頭の中を探検してたらやっと出てきたんです! 先生の画法で、最初はグレーのアクリルガッシュでガンガン描いていくという言葉。「グレーだグレー、色付けなくていいんだ! 」 4月9日に半日かけて最後の仕上げをし、ブログにあげることができました。詩はe集団展に出すことになれば考えようと思ったりしてます。親分はエライ!

絵はデザイン画的な作品です。絵は左から右へ行くにつれてはっきりしてきます。道化師の夢が次第にはっきり見えてくるイメージでしょうか。夢の中では妖精が飛んでいます。私も飛びたいと思い、瓜の上に浮かぼうとしているピエロ、それはどれだけ演じても笑いを取ることしかできない道化師の哀しい夢? せめてその中では私も飛びたい・・・そんなことを思っているのでしょうか?

長文読んでいただいた方、ありがとうございました。ポツポツですが、2ヶ月かかったので、自分の備忘録ということもあり、長くなっちゃいました。感謝m(_ _)m

作品 5 「フルートを吹く幼きティタニア」 アクリル F4  額装サイズ37cm×44cm    第28回アートムーブコンクール入選作

初出品の全国公募展で入選した絵、嬉しかったです。テーブルのモチーフは緑の壺みたいなと、小さな植木鉢。しばらくするとティタニアがフルート吹いてる姿と、背景は大好きなムーミン谷のメソメソが楽しそうに聴いている姿が現れたので絵になりました( ^∀^)

ティタニアのお洋服の赤は気に入りました。壺が緑だったのでここは反対色がいいなと決めました。後ろの岩のような、カーテンの様な部分に初めてモデリングペーストを使い、写真ではわかりにくいのですが、かなり立体感を持たせてます。モデリングペーストのいい練習になりました。結構最初から計画的に塗っていかないと後から色付けするのに苦労するなぁ・・・

次は入賞狙います(笑)

作品6「妖精たちのホタル狩り」 A4  水彩色鉛筆

サルビア出展中のため画像ありません🙇

水彩色鉛筆の特徴や書き方の技術などは「絵の技術」の方をご覧ください。代表的なものは全て使ってみました。

絵は水彩色鉛筆なので、水筆をいろんなところに使ってぼかし表現などをやってますが、普段アクリル中心なもので、つい重ね塗りをしてしまうと、(当たり前ですが)下の色も溶けてきて変な色になったりするので要注意でした。ただのホタルではつまらないので、妖精たちが戯れてます❤️  パースの練習になったかなぁ・・・

作品7「不安の少女」( a girl, anxious ) アクリル、F4   グレーズ技法 23年6月10日 次作への準備作

これは今年の近藤先生の個展にインスパイアされた作品です。先生のアクリル画法を聞いて、まず支持体全体に無意識にグレーの濃淡をつけた絵の具を叩きつける感じで塗っていきます。これが曲者で、私は2度失敗し、3度目にようやく少し何かが見え始めました。それでさらに重ね塗りしていると、どうやら隠れていたものが現れてきたので、薄く色付けしていきました。すると怪しげな生き物が見え始め、それとともに不安げな女の子が浮かび上がってきたので、あとは透明アクリルの彩色を繰り返すグレージングで仕上げました。皆さんは生き物をどれだけ見つけることができるでしょうか? なお額装は「フルートを吹く幼きティタニア」のものを合いそうなので流用しています。

7月5日追記:この作品はもっと大きいものにしたいと思っていたので、その制作に取り掛かりました。とりあえず大きく描いてみたら何か違って、止まってしまいました。ようやく1週間ほどしてアイデアが降りて来て描く気になりました。10号の作品で、どこかの公募展に出品予定です。

くっつき虫」と言う両面テープのようなものをつけるとどこでも簡単に貼り付けることができ、また剥がして場所も変えられます。

作品9「コーヒーが冷めないように」 アクリル F6

 

コーヒーが冷めないように 

私は心に鍵をかけた

大好きだった人のコーヒーが冷めないように

私は心に鍵をかけた

あの人どうして死んじゃったのかな

最後に一緒にコーヒーを飲んだ夜

月がたくさん黄色く広がって 星ははらはらと降っていた

あなたは「綺麗だね」と言ったけど なんのことだったの

あの夜のことを忘れないように

いつかあの人が帰ってきたら

いつでも 大好きなコーヒーが飲めるように

あの人が大好きだったコーヒーが冷めないように

私の想いが冷めないように

あの夜のことを絶対忘れないように

誰かと一緒にコーヒーを飲んでも

大好きなあなたのことを きっと忘れないように

私は心に鍵をかけた

2021年9月、絵を始めて半年で描きましたが、その時は絵の方は制作意図がやや弱く、どのようにも解釈できるものでした。今回のものははっきりと制作意図を持ち、下半分には当時の東北の状況を災害の写真を元に描きました。最愛の人を震災で無くした女性の切ない思いを絵と言葉の両方から伝えられるように、長い間かけて背景と女性の姿を考え、何度も制作が止まり、完成には半年以上かかりました。災害の姿をより具体的に現そうとモデリングペーストを使ってテキスチャにもこだわっています。

 

作品10 「ウサギちゃん、どこにいるの?」2023年7月15日

この絵の背景は、以前ブログで取り上げた「私は何故紙のパレットを使わなくなったのか」が説明になるのですが、あの、木のパレットに出来た絵の具の模様から連想が起き、ペインティングナイフ、刷毛、最後は両手の指などを使って自由に塗りました。

先生にいただいたモチーフは左のポットと敷物、左右のカラフルなてるてる坊主みたいなのは、アメリカ製には珍しいデザインだったのでそれを気にいるようにアレンジしました。題名とその由来の謎は解けましたでしょうか?(笑)「作品」のコーナーには少し大きめの絵をあげましたのでそちらもご覧いただくと嬉しいです♡

 

テクスチャアート1「薔薇」 アクリル 2023年8月1日制作 額装20cm×20cm

以前から興味があったテクスチャアートに挑戦しました。テクスチャアートとは絵の具にモデリングペーストのようなメディウムを混ぜて「テクスチャ」つまり「質感」を立体的に作り上げて楽しむ絵です。思いのままにペインティングナイフや筆を動かすので、基本的には抽象画的なものになります。絵を描くのは敷居が高いと思っている人にも簡単にできてインテリアの装飾にも向いているので人気が出ています。

上の作品は黄色や緑を中心にベースを塗ってみました。すると葉っぱのイメージが湧いたので、薔薇の花だけ後から入れてみたものです。額は彩美堂の奥山さんが選んでくれました✌️

 

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