2024年の制作ヒストリー

11. 「The World」の制作について(2024/11/5)

この作品はF40サイズ、100cm×80.3cmの大きさです。ボクの描く絵としては大きい方ですね。これは沖縄在住の画家Jinさんのアドバイスを受けて制作したもので、ボクが初めて刷り込みブラシとボカシブラシを駆使して作り上げた絵です。

まず背景全面をホワイトジェッソで覆い、ディオキサイジンパープルを上下から中心に刷り込みブラシの10号で入れて行き、グラデュエーションを意識しながら中心に向かってプルシャンブルーフューとフタロシアニンブルーで全背景をおぼ描きあげ、最後に中心部水平線前後を薄いアクアブルーでグラデュエーションを使って仕上げました。それから上半分に現実世界を、下半分にそれが映る水面を描くのですが、まず上半分をほぼ仕上げ、それから下半分にかかりました。惑星をはじめとする全体のバランスに注意して描いたのですが、こういった全体を常に見ておく感覚の育たない人の絵をよく見かけます。それはどこかバランスが悪く、見ごこちがよくないのです。

奥行きを考え、遠景はそれらしく少し朧げに描くのに結構時間を使いました。制作期間は、ボクは常に複数枚を並行して描くのですが、それを含めて3ヶ月ほどでした。価格は150,000円に設定しました。気に入っていただける方が御三方あったのですが、ギャラリーでは小さめに見える絵も家庭に持ち込むと大きいので、その注意をお伝えすると皆さん考え直されたようで、売れませんでした(笑)サイズをご理解の上購入ご希望の方があれば申し出て下さいm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

10.  「花の精の誕生を見つめるアリス・リデル」の制作過程

いただいたテーマが「世にも奇妙なお花展」だったので、普通の花を描くのはNGかなぁと思い、最初はネットで「不思議な花」とか「奇妙な花」とか検索して、変わった花を描こうと思いました。でも、なんか面白くないよなー物語性全然ないし・・・と、しばらくほってたら妖精と友だちのボクにふと「妖精描いたら?」みたいな感覚がやってきて、「あ、花の精かぁ」とそれをメインにすることに。 久しぶりに女性像を描くので、女性が見て不快にならず、かといって彫刻みたいにもならない感覚を出すのにちょっと時間がかかりました。 後はアリスやアリスの世界の常連のチェスの駒、しかしチェスの駒に女王メインに色使いなどを考えて描いたのに気がついて指摘してきたハマーさんにはびっくり‼️

画法:まず妖精あたりを全てマスキングして、背景が複雑で何色かわからないような色になるまで色を重ね、納得がいってから木の緑を這わせ、いろんなところに花のような模様を数色重ねて色付け。ぼかすために霧吹きで常に水をかけながら最適なグラデュエーションを出して行って、完成させ、バランスを考え、はっきりさせるためにアクリルガッシュで白と赤の花を左右に配置しました。

花の精の腰あたりから下を覆うのに黄色系の色がいいだろうと、最終的に黄色の布様で、はっきりしない感じのものを描き、最後にアリスとチェスの駒を置きました。チェスの駒は、花、女性、女王、という感じで女王をフィーチャーさせて色も赤を使い、影もその色にしています。以下参考画像です。

 

 

 

 

 

 

 

「葬送のフリーレン」より「魔法の杖を持つフリーレン」 アクリル絵の具、F4

物語(ちょっとだけネタバレです)

一般に戦闘型ファンタジーというのは、ハリポタにも見られるように善と悪の戦いで、悪は小物からやっつけられ、最後にボスキャラが倒されてメデタシメデタシ。で、そこに至るまでに善の脇役が何人かやられるという、割とシンプルに人間の心理に沿った筋書きなのです。ところが「葬送のフリーレン」は、4人の勇者の一行がボスキャラの魔王を倒してから始まる後日談的物語。主人公のフリーレンは妖精エルフで1000年も生きる。その彼女が、人間というものを知り、次第に感情を持って人間たちに関わる。彼女から見れば寿命の短い人間を無数に見送っていく葬送のフリーレン、そこに常に漂う物悲しさがたまらない・・・man is mortalとは誰の言葉であったろうか・・・フリーレンよ永遠に!

 

9. 「友だちと一緒に桜をみる若きタイタニア」アクリルボードB5変形(205×257)

これは桜が好きだった、後の妖精女王タイタニアが若い頃に友だちのOld Bearと一緒に夜桜を見ているシーンです。全てをアクリル絵具で描いています。月の光のあたり方を考えて桜の花びら1枚1枚の色を変えました。

8. 「静物」 F6 アクリル絵の具、水性ペンキ

モチーフは花瓶の草花やウマのお人形。「ありきたりだなあ・・・」と、ラフスケッチだけやって放ってたら、花瓶の中にイモリが出てきて、「じっとしてるから僕を描いて」という。ならば「静物」だなと、1匹だと寂しそうなので、ネットで海外のイモリくんを探し、葉っぱの上に登場してもらった。テーブルは丸くなければいけないので円形にすると、二本の、柱だか空が見えているのかよくわからない感覚がやってきて・・・後は背景、何か静かなので、静物をかき回そうとペンキを撒きらした。それでもテーブルの上のものはじっと息をこらしているようだ。「静物」とは「静止して動かないもの」(デジタル大辞泉)とある。だが、庄野潤三の小説の題のように、もっと深い意味を持つこともあるのだろう。

7. 「マリちゃんのゆめ」 F4 アクリル、アクリルガッシュ、Acrylic Pouring、カラーペンシル、ソフトパステル、ジェルマニュキュア 

この作品は近藤先生のお友達が作ったお人形がモデル。まりちゃんという、作ったお友達そっくりのお人形。お友達は近藤先生がモデルになったけいこさん人形を持っているらしい。いいなー友情❤️夢の中に出てくる不思議なものたちはボクの心の中にいる幼い娘たちが描いた素敵な思い出。そう、これはマリちゃんのユメであると同時にボクのユメなんです。画法は、お人形の全マスキングから背景を、上はシルバーガッシュに雲母を混ぜたものを基調に色合いを出し、下はパーマネントイエローで塗り固めてからポーリング技法で色を散らしました。人形のような、それでいて生きているような雰囲気を出すのにちょっと工夫したかな・・・夢の中の生き物たちを描くのが楽しかったです^ ^

 

 

 

 

 

 

6.  「恋人たちのマリメッコイリュージョン」 F6 アクリル絵の具、アクリルガッシュ、Acrylic Pouring技法

マリメッコの敷物の模様が素敵だったので、それを描き始めました。するとオーストリアからやってきたという陶器の恋人の姿をしたお人形が語り始め、それを聞きつけた猫ちゃん達がやってきます。マリメッコの周りは混沌とした幻想のような世界ですが、マリメッコの花は存在感を失っていません。背景を日本画に使う「雲母」を混ぜたガッシュで塗り込め、乾いてからアクリリックポーリングの技法を使って独特の色合いを出してみました。画像ではわかりにくいですが、恋人の部分はかなり精緻に書き込んだつもりです。ポーリングについては絵の技術の項https://sae-sae1999.info/international/ をご覧ください。                      

5.  「ありふれた非日常の風景」 F4 アクリル絵の具、アクリルガッシュ

この作品のモチーフはテーブルの上に置かれたトマトジュースと絵本とポット、何故かトマトジュースが勝手に動き出し、それに驚いた絵本の動物が起きあがったので、その姿を描き始めました。するとトマトジュースからトマトや文字がこぼれ出し、ポットのお湯が勝手に沸き始めました。もう収拾つかなくなった風景を見ながらファーバーカステルのカラーペンシルは静かに呆れながら美しい姿を留めています・・・技法的には、今回は上半分の背景は単純なブリリアントブルー一色にしたかったので、全てマスキングをしてから塗りました。次にトマトの缶を塗るためマスキング、逆に下半分は複雑な色合いを出しました。ファーバーカステルは細かい描き方が必要だったのでものすごく時間がかかりました。面白い仕上がりになったと思います。実物は個展でご覧くださいね‼️

4. 「Fairy Warrior」(妖精の戦士) F6 水彩紙 アクリル絵の具

初めて一人の人物を描きました。彼女は妖精の女王タイタニア直属の戦士フリーレン、両親が魔王を倒したエルフの英雄、フリーレンにちなんで名付けました。剣は伝説の騎士サーガウェインが使った名剣ガラティン(Galatyn)と言われています。

3. 「Fairy Wars」(妖精の戦い) F6 水彩紙 アクリル絵の具

「戦国パラダイス」のテーマで出品依頼がありました。そのテーマでは描けるか自信がなかったので、ちょっと検討させてくださいと言い、少し考えました。その結果せっかくの機会だし、テーマには自由度があることがわかったので、2つの作品を描いてみました。面白かったです。

こちらは女王タイタニア側の妖精と、王オベロン側の妖精が戦っています。原因はオベロンの浮気。巻き込まれた部下たちは大変です💦

2. 「不安の少女のクリスマス」 P10 キャンバス アクリル絵の具、ガッシュ、一部ファーバーカステルポリクロモス

解説はアートマインドコーチング(VTS)使用のためカットしました。そのうち再掲載しますm(__)m

 

1.  「秋明菊と妖精」 F6額装 水彩紙

背景をゴールドに塗ることに決め、それ以外の部分全てにマスキングを施して、背景を思い切って塗りました。ブライトゴールド、ローアンバー、ローシェンナ、バーントシェンナなどを混色し、縦横碁盤の目状に塗っていき、下部はわずかにテーブルらしき感覚を感じられるように色を変えてます。背景が完成して全てのマスキングを外し、花瓶などはマットメディウムを混ぜて質感を出しました。最後にバランスを取るため左サイドに、友人の手法を真似てペンキを散らしましたが、難しかったです。Kさんエライ!

 

 

 

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